投稿日 2016-09-14
9月初旬あれこれ
9月のあたまに、出張がありまして、3日程、畑を離れお仕事に。
場所は横浜、みなとみらいがメイン。
高知に台風が近づいていたので、後ろ髪を引かれながら出かけた。
運よく、何事もなく済んだので胸をなでおろす。
相変わらず、観覧車が偉そうですね。
今回は、ホテル内の飲食店向けの小さな小さな商談会。
なぜここを選んだのか?
普通は大きな会場の商談会に行くでしょうけど、もうね、いいんですよ。そういう大きな商談会は。農家さんで経験された方は理解できると思いますが、大きな商談会の来場者と普通の農家はあまりマッチしないんですよ。私はね。
挨拶、説明、名刺交換、アフターケアだけでもうへとへと。
そして、ほとんどが大手スーパーか(イ〇ン、ヨー〇ドー系列)、コンビニ業界ばかり。うんざりです。
そして、継続的な商談になる確率は非常に低い。
だから、今回はオーナーシェフが集まる、小さな飲食店向けの商談会。
何より、東京ではない、というのが味噌。
「焼き芋ペースト一本勝負です」
忙しくなく、淡々と試食をこなす。
で、このような商談会では、バンバン試食させて、資料渡して、愛想笑いしてというのがセオリー。
でも、今回は名刺も資料も簡単に渡しません。だってこれもコストだし、簡単に情報公開もしたくありません。
お互いに対等でありたい。
だから、「あんたも情報公開しろよ」ということで「これぞ!」という人しか名刺も渡しません。
第一印象で、「この人なら・・」という方だけと名刺交換しました。
その数44枚。
後日、整理していきます。今回は納得のいく商談になりそうです。
やみくもに名刺交換するのももういいですね。
社会人失格かもね、えへへへ。
さて、今回の泊りは蒲田。好きな街。以前のようなヤクザな街では最近はありません。オシャレでもないです。だからいいんですよね。
アクセスもよく、肌にあいます。
と言う事で、夜ご飯2人に誘われたが、どちらも東京在住で、新宿や六本木に出てこい、って言われたので断る。
だって、都心には行きたくない。そこらへんでゴハンをひとりで食べることに。
そこらへん?
疲れているし、さっさと寝たい。サウナでも行こうかな・・・。とネガティブな気分なのだが、頑張ってもういっちょ、仕事をしよう!
今日の商談会でもらった名刺から気になるお店をチェック。
44枚の名刺から、2枚抜き取り、横浜まで晩ごはん。
1軒目にメキシカンを選択。「タコリブレ」
http://www.yokohama.taco-libre.com/
高知の田舎ではメキシカン料理は食べれません。なので都会ならではの食事を。
スマホを持っていないので、店探しはひと苦労。横浜駅をグルグル・・・やっとこさでお店に到着。
いくつか料理と、お酒を堪能し、お店の人と楽しいおしゃべり。いろいろメキシカン情報を仕入れ、自分に出来そうなことを整理していく。
これは来てよかった。
さて、お腹も膨れたので、帰りにもう一軒のバーに立ち寄ることに。
昼間貰ったバーの名刺をお店の人に見せる。
「ここのバー行きたいのですけど、どうやって行けば?」
「そこに行きたいの?そこはうちの系列店ですよ」
えええええええ!!
連れて行ってあげますよ、と同伴してくれた。おかげではずれのビルの隠れ家みたいなところにたどり着く。
お洒落なバー。「クラシック」
http://www.gcland.com/classic/
2杯ほど水割りをいただく。
深いお酒の話を聞き、時間が過ぎる。
なぜこの店を選んだのか。
その理由
ココのバーのオーナーさん、実はね・・・・
「パグ飼い」さんでーーす!
偶然なのです。ビックリでしょ?
パグ繋がりのパワーを感じます。もうそれだけでうれしいですね。
翌日は川崎のお取引のあいさつ回りや、親せきと会食等時間を過ごす。
時間はあったので、蒲田のキネマ通りを散歩の途中、一件の古いお店を発見。
なんじゃこれは??
82歳のおばあさんがひとりで切り盛りする煎餅屋さん。
店の前で立ち止まり、しばらく観察。
そしたら、話しかけられ、試食をし、煎餅を焼かせてもらい、ゴハンまでごちそうに・・・・。
5000円分おせんべいをお土産として宅急便に。
「創業90年」おじいさんが戦時中にリヤカー引き売りから始まり、今はお婆さんひとりで細々と煎餅を焼いているそうだ。
座敷に上がり、はじめて煎餅も焼かせてもらった。数枚焼くと慣れてきた。5種類の煎餅を焼き自分で買う。なんて体験できるんだ。面白かった。結局70枚ぐらい焼いて5000円でいいって言われ、素敵なお土産が出来た。
おまけにおでんまでごちそうに・・・。
都合3時間ぐらい滞在。
田舎から商売しに東京にやってきたと言う事を話すと、おばあさんは「負けちゃダメ、一回二回の失敗は当たり前、粘り強くやるんだよ」と。
帰り際、靴も履かず、はだしで外まで出てきて手を振ってくれた。はじめて会ったのに、ここまでしてくれる、ドラマのような展開。「必ずまた来よう」それまでお元気で。
で、事件。
このおせんべい屋さんにデジカメを忘れてきたのさ。
1週間後、宅急便でうちに届いた。
必ずまた・・。
土佐の海と空は、いつも以上に輝いていた。
やっぱり俺はココから・・。
追記、知っていますか?
蒲田にはまだデパートの屋上に観覧車があります。
小さなころのノスタルジーな世界がまだここには残っていた。
お客はガラガラだけどもね。
年に一度は東京に。
あまり行きたくはないけど、行かないといけない。
住んでいる人もそうだろう。人混みだって、満員電車だって、行列してコンビニ弁当・・・
その中で少しでもオアシスを見つける。それがこの都会での生活のテクニックなのかもしれない。
必ずあるよね。心のよりどころ。
今期の旅はなかなか良かったな。
煎餅のばあさんにまた会いに。