農村地域では、「暮らしとお酒」が密接である。
それはお神酒から来ている。そう神へのお供えへのツール。
だから、普段から神への捧げものとして晩酌は欠かせない。(ビールや焼酎、ウイスキーも入るが、まあ勘弁してくれ)
よって、成人になってからほぼ毎日晩酌している。
9月ごろより、どうも体調がすぐれない。微熱と呼べれるほどではないが、何かおかしい。
9月下旬、近所の方と数時間による飲酒をした。ちゃんぽんである。つまみは海鮮ものばかりだから、胸やけはしない。けど大酔い。
翌日、体調がどうもすぐれない。胃がイタイ、「やべ、胃潰瘍かな」20年ほど前にはしょっちゅう胃が痛み、胃カメラも何度も飲み、そのたびに苦痛がしてた。それ以来はノンストレスな生活をしているので、まさか?という思いがあった。
その頃と同じく、ガスターを飲む。けどどうもすぐれない。おまけに背中も痛み出した。
痛さで眠れないほどとなり、翌日病院へ行く事に。
外科的な事で、何度かは病院通いをしたことはあるが、元来病院が嫌いなので、出来るだけ行きたくはない。
けど今回は、今までにない箇所での痛みが気になり、行く事に。どうせ胃潰瘍だろうな。と勘ぐって乗り込む。
最初から決めていた。「絶対カメラは飲まない」
あの経験はもうしたくない。バリウムだったら何とか許すと。
その旨を先生に伝える。わかりました。血液検査と、CTと、エコーしましょうか?
ひと通りの検査が済み、診察室で結果を聞く。
先生の口から・・・
「お酒やめないといけませんね」
「・・・・・。」
「肝臓や胃には、今できる検査では異常はありませんが、”膵臓(すいぞう)です。慢性膵炎です。このままだと膵臓がんになりますよ、だから断酒してください」
「一生ですか?」
「はい、医者からはそうしなさいとしか言えません」
「・・・・・。」
帰ってネットで調べてみた「膵臓」について。
ろくな事しか書いていない。まあ、良くないことだらけです。CTでもわかりにくい、手術もしにくい、治りが悪い、がんになりステージ2で5年後生存率50%、ステージ3以上で生存率はなんとたった7%・・・・。
なんてこった。
妻にも内緒でこの場を乗り切ろう。そう覚悟した。
よって、妻には「今日からしばらく酒やめる」「揚げ物などやめる」「徹底的に和食中心としてくれ」「塩分も控えめに」
妻からは、そんなにひどいの?
私は答える
「いやああ、酒飲み過ぎだってよ、しばらくしたらまた検査して、たしなめるようになるからね」と答える。
その日から、ピタッと酒はやめた。9月26日ことであった。
それからもネット中心にいろいろ調べたが、本当にろくでもない内臓が痛んだもんだ。あのスティーブジョブズ、元横綱千代の富士、坂東三津五郎などたくさんの有名人もこの病気で死んでいる。
頭をよぎる、残された家族は、プースケは、畑など仕事の片づけ、入っている保険の種類・・・。
その一方で、どこか楽観的に、いままでさんざん大酒を飲んできたから、このままやめればきっと病気は治る。
また、私の大好きな酒宴にはもう出られないな、大きな楽しみはもうできない、けど身体がもっと大事だからね、と自分に言い聞かす。
何よりも家族に迷惑をかけることが避けなければならないので、断酒なんて屁でもない、お茶の子サイサイ。
それでも、いつもあった晩酌がない食卓は寂しかった。お茶で晩ごはんを食べるのがけっこうストレスともなった。
食べたいものが食べれない、このストレスが自分との戦いとなった。
そんな時に家の本棚にある一冊の本「かわいそうなぞう」という戦時中の動物園の話が自分を奮い立たせた。それに比べればぜんぜん平気。頑張れる。
家族にも相談せずに、自分との闘い。その間にも何人もから酒宴のお誘いがあったがすべて断った。仲の良い数人には本当のことを話した。もしもの時には語り部となってもらおうと。そこまで考えたんですよ。
酒宴に参加できない。それは田舎暮らしの醍醐味を半減させるぐらい辛いことであった。
その間にも、仕事は続け、普段よりずっとお利口さんに薬も飲んだ。家族にはあまり見られないように。仕事は自分を奮い立たせるように汗を掻き、それでも背中が痛むので、だましだましやってのけた。特に車の運転がキツかった。先日の神戸までのロングドライブは特にキツイ。熱が出るんじゃないかと思うくらい。
そして、今日、連休明けでまだ痛む体で病院へ
長くなりそうなので、次回につづく
なんて、卑怯ですね
診察室へ。前回とは違うベテラン先生。
どうですか?
「・・・。」
ちょっと、触診しますね。
そういえば前回は触診はされなかった。
「どこが痛い?」
「こことここが・・。」
「ふ~~ん」
「???」
「押して痛い?」
「いや、押してもらった方が気持ちがいいです」
「はっは~~ん」
「???」
「吉永さん、これは筋肉痛です」
「はぁ~?」
「仕事のしずぎかもしれないね、暑いお風呂に入って、ストレッチして、湿布いる?」
「いえ、けっこうです」
「じゃあ、薬もないからね、お大事に」
「あのう、先生、お酒は?」
「飲みすぎないようにね」
「は~~~~い!」
と言う事で、おかげさまで何ともなかったです。
どちらの先生が正しいのか?それはいいこという先生でしょう。
と、いう事にします。
これにて、一件落着。
なので、また、酒宴誘ってね。
お土産のお酒も待っています。
あ~笑い話でよかった。
これから、あんまに行ってきます
17日間の断酒、いい経験でした。
今日は美味しい酒を飲みます
チャンチャン。