投稿日 2017-06-04
私は農薬を使う農家です。


この際ですので、改めてうちの農法を書き、お伝えしときます。

 



うちの農場で作られている農産物は「有機野菜」ではありません。

有機農産物とは、JAS規格で認証された生産物。詳しくはググってください。

では、お上が決めたカテゴリーでいうと、「特別栽培農産物」ということになります。なんのこっちゃ??って話しですが、それは行政に聞いてください。

だから、うちは「農薬を使う農家」です。


農場のモットーは「調和」です。

うちの農産物は年間50品目ほどの野菜を生産しています。経済作物もあれば、趣味的な野菜もある、試験研究用栽培も行っている、伝統を守るためのものもある。それぞれに共通して言えることは「生命をつなぐ」と言う事です。

生命をつなぐためにすべてやっているため、健康に野菜も育っていかなければなりません。そのためのデスクワーク(計画)、準備(土づくりなど)、実践(栽培)、検証(直感やデータ収集)などPDCAを繰り返す事です。

消費者の皆さんの関心は、その作物に農薬が使われているかどうか?だと思います。できるだけシンプルに答えてみたいと思う。

Qあなたの農場では農薬は使いますか?

Aはい、使います

Qどのようなときに使いますか?

A病気や、害虫が簡単な方法で対処が出来なくなった時です。

Qでは、今出荷されているトマトには使用しましたか?

Aいいえ、まだ使っていません

Qなぜ、使わないのですか?

A必要なかったからです。

Qどういう意味ですか?

A初動対処で対応できましたから。

Q使う段階があるのですね。

Aまずは、出来る事からしています

 

つまり、必要なときはしっかり使います。考えてみてください。あれ、風邪かな?体温が36.3℃ある。早く病院行って注射しなくちゃ、ってなりますか?普通は市販の風邪薬の総合感冒薬や、少しゆっくり寝るとか、しょうが湯飲んどこうかとかになると思います。いきなり、即注射とはならないと思います。それと一緒です。

用意しています、いつでも。実弾(農薬)は。いつも懐に。

考えとしては、野菜を育てるのも、自分の子供を育てるのも、パグをケアするのもすべて一緒なんです。こりゃまずいなと思ったらそりゃ西洋医学にすがりますよ。大したことなかったら、赤チン塗って終わりですよ。

 

それと、きちんと伝えておきたい。農水省が言う農薬の種類には「魚毒性」というものがあります。字を見る通り、魚にどれだけ影響があるかと言う事です。それには魚毒性A,B,Cというランクがあります。魚毒性Aは、ほぼ影響がないと言う事です。

ひとつ例を挙げてみます。

うちのトマトでは「オンシツコナジラミ」という厄介な外来種の害虫が毎年のように出ます。そのオンシツコナジラミの中でも「シルバーリーフ」という進化形のコナジラミが2年前に大量発生しました。


とても小さい昆虫で、真夏では卵から生まれて約2週間で産卵できるという、恐ろしくスピードの速い昆虫です。こいつが媒介すると、「黄化えそ病」というトマトの成長がストップし、またそこの生えていた土も処分しないといけない、最も怖い虫なのです。

それに対処するために使っているのはコチラ→ホリバー

 

また、私たちの夏トマトは、梅雨時期と台風シーズンも乗り越えないといけないと宿命があります。つまり湿気=カビ、という目に見えない胞子をとばす、「灰色かび病」成長を妨げ、そして枯れていくという虫よりも怖い病気なのです。


対処使用している農薬はコチラ→ボトキラー

納豆菌ですね。

また、生物性菌や脱皮阻害剤、嫌がる匂いを出す忌避剤なども使用します。そのすべてが完全なる自然資材ではないため、「有機農業」ではないのです。

 

私の農薬に対する考え・・・。

〇当たり前だけど使わない方がいい。だって必要ないもん

〇わざわざ高いお金出して、労力使って・・・。楽したいもん

〇病気、虫、きちんと見極める知識と観察をすれば5割減らすことが出来る、100%はムリ。

〇使わないと決めるのではなく、いつでもマシンガンぶっ放してやるぜ!という保険

〇自分や家族と一緒、必要なときは科学的療法を。

〇自然に負担をかけない正しい農業知識を

〇自分と農産物も健康一番、消費者に寄与するため

こんなところかな?たぶんまだまだあると思うけど・・。

 



何よりも、何度も農産物に病気や虫で死なせてしまったことを経験している。ただ労力を使っただけじゃなく、その生命を絶ってしまったという罪な事を。本当は生を受け、無事人間の口に運ぶはずであったろう農産物を「しょうがないや」だけでは片づけられない思いがある。




最後に、「これは無農薬じゃないの?」とよく聞かれますが、「無農薬〇〇」という表現は禁止されています。まあどっちでもいいんですけど、農薬が使用されているかも大事ですけど、その手に取っている野菜の生産者そのものの考え方、生き方が重視される世の中になれば自然と良い農産物とも出会えますし、楽しい食卓になると思うんですけどね。クスリ食べているわけじゃないし、「このお野菜近所の○○じいちゃんが作った大根よ」という方が絶対笑顔が生まれます。どんな野菜にしたって、楽しく食べることが身体にも良い吸収になるはずだと私は信じています。なぜなら私の幼少期は寂しい食卓でしたから。美味いも不味いもへったくれもない食卓でした。

今は、おかげで家族を持ち、少しずつ大人になっている我が子も、会話は少なくなりましたが、それでも楽しい食卓には変わりありません。

私の目的は、「農業で家族を養う」が大きな大義ですが、そのプロセスには関係するみなさんの「笑顔」が絶対必要なんです。楽しく仕事、楽しいお取引、楽しい消費者交流、自然に負担をかけない・・・。

みんなで笑顔の循環を。

これが「調和」なのです!

みなさんも素敵なお百姓さんに出会えますように

家族もいっしょ、野菜もいっしょ、パグもいっしょ

だから、私は農薬を使う農家です。

今期のトマト、「まだ、農薬使っていません、はい」


*農業生産法人ウインドファミリー 代表 吉永まさと

栽培面積・施設園芸68a、露地畑2.7ha、果樹、山林所有

高知県本山町大石地区中心に専業農家18年目。家族・妻、子供3人。

自然の中で生かされることに感謝する。趣味・家庭菜園、釣り、狩猟、日曜大工など

「このまま楽しい爺さんライフを過ごせたら」

これからもよろしくお願いします。

 


 

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