投稿日 2017-08-12
臆病者?何が悪い。農家の台風対策


台風一過。幼いころ「台風一家」と思い、最初にお父さん台風が出来て、お母さん台風が出来て、子供・・孫・・と次々に出来るファミリーと思っていたアホな子供でした。

平成29年、台風5号は日本の種子島あたりからななめに進み、四国本山町のやや下を通り、日本海にゆっくり抜けていった。翌日の高知県本山町の朝。清々しい空が広がり、湿度も少ない気持ちの良い朝を迎えています。

さて今回の台風は予測が本当に難しかった。小笠原島から西に向かいだしたときに、すでに私の中では日本襲撃というチェックインされていた。その頃から天気予報とにらめっこが始まる。日本の気象法では詳細な予報は3日後しかできないらしい。週間天気も一か月予報もあいまいなもの。そこで民間天気予報会社が情報提供しているわけだ。それでも民間なので「お金払わないとちゃんとしたことは教えないよ」となるわけだ。そこで数年前からウエザーニュース社と月額3000円払って10kmメッシュ予報をもらっていたわけだが、それも今の時代物足りなくなってきている。ならばもっと払えよ、となるわけだが・・・インターネットの世界も日進月歩でどんどん進んでいる。とても親切で詳細な無料のウエブサイトも出てきているわけだ。

今最もおすすめなのがコチラ http://weather-gpv.info/

農家の私たちにとって恐れるのが強風である。雨や雪はどこにいても逃れることができないし、事前対策も少ない。せいぜい排水処理用の溝を掘るぐらい。雨はどうしょうもない。

風対策はレベルが違う。段階によって備えを変える必要がある。風による被害は大きく、損害も出てしまう。台風や竜巻など一瞬で、その年の収入を断ち切ることもある。復旧にはかなりの時間と費用も発生する。特にハウス栽培においては「廃業」ということも珍しくない。費用のレベルが違うのだ。まして収穫寸前にハウス倒壊などというと、2重3重の苦難が待ち受けているのだ。

 

あれは、平成16年8月30日。台風16号高知県沖からやってきた。そのときは、本山町では大雨に見舞われた。風対策をある程度取っていたため被害は道路の崩落ぐらいで、さほど被害はなかった。その一週間後、豊後水道から瀬戸内海に台風18号がやってきた。ここ本山町においては最悪の台風コースである。風が最も吹き荒れるコースなのである。広島県では観測史上最大60.2m/sを観測。つまり1秒間に60m動く風である。本山町では記録が残っていない。おそらく40m/sのほどの風であったろう。そのような暴風が吹いた作業ノートが今も残っている。

翌日のハウスを見に行くと、そこには無残にパイプが曲がり、ビニールが無くなった屋根、風で揉まれたトマトの木、その下には青いトマトがたくさん散乱・・・。茫然でした。保険に加入していたので、施設復興費用の3分の1ぐらいは出た。しかし作物に関してスズメの涙。被害想定およそ500万円ってとこ。それを取り戻すためには、翌年、翌々年までかかってしまう。その時は、借金をして復旧を早めた記憶がある。

このような大きな被害は、まだ一度しか経験していないが、農業を続ける限り、常にリスクは付きまとう。今も毎年のようにやってくる台風。いつもコースを気にしながら、天気予報とにらめっこ。実際、台風が近づいた時の恐怖心。いまでも「世の中で何が怖いですか?」と聞かれれば、真っ先に「強風!」って答えるぐらい私は怖い。少しでも風が吹くと怯えてしまう。またあの無残な残像がフラッシュバックしてくる。悪い記憶なんて消し去りたいけどなかなか消すことが難しい。正直、いまでも台風が近づくと寝れなくなる。ほんと寝れない。起きていてもしょうがないことわかっていても寝られない。

よく、ニュースで大雨の時に田んぼを見に行き、流された爺さんなんて聞くけど、めちゃめちゃわかる。

最後に私のまじないを。

まず、あらとあらゆる神様、仏様を総動員して、天に向かってお祈りします。ものすごいお願いします。ブッタであろうが、アラーであろうが、キリストであろうが、八百の神であろうが・・すべてにお願いします。

そして、

畑に、上向きで刃物を刺します

つまり、風を切る、というまじないです。今のところ、40ぶんの39効き目があります。

いつもは態度のでかい私だが、台風だけにはいつも怯えている。

「あのアホ、大したことない風でも、大げさに耐風対策しているぜ、あはっは」ってバカにされても平気である。

臆病者の何が悪い。それがオイラの台風対策や!


 

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